鮮やかなリゾートウエディング
ところが、結婚式の感動は、やった人でないとわからない。
そのときを迎えるまでわからないんですよね。
だから、教えてあげなくてはいけないんです。
自分の豊かさを、高級ブランド品を持つことでごまかしているが、それよりも、感動的な瞬間に同じ額を出すほうが、ずっと豊かであると。
N氏そうですね。
お客さまにそういうことをわかっていただけるように、われわれはもっと力を入れていかなければなりませんね。
それにはホテル、美容、衣裳、お花、引き出物、写真など、ブライダルにかかわるさまざまな業種聞がパートナーシップを持つことも重要なことであると、私は考えています。
T氏そうですね。
コミュニケーションがとれていないと、お客さまにいいものを提供できませんし、お客さまにきちんとした説明をすることはできませんね。
N氏われわれはホテル側にすべてを任せ、言われたままをこなすのではなく、同じお客さまの担当者同士、たとえ5分であっても打ち合わせをする機会を持って、お客さまに誠意を持って接したいと思っています。
T氏情報発信、情報伝達が、われわれの仕事ですからね。
N氏私どもの会社としては、ホテル側の動きを見たり、アドバイスをいただきながら、それをうまく参考にして、もっともっとお客さまに納得していただけるブライダルをつくっていきたいと思っております。
「あそこのブライダルに行けば親切だ」と、地方から情報発信するブ‘ライダjレの明日一一大切−こした~{三つの心Jお客さまからお客さまへ伝えていただけるように。
私どもの人間性といいますか、独特の地域に密着した温かい心を、お客さまとの接点にしたいですね。
T氏われわれは地域に密着して生活しているんですから、世の中の動きがどうだとかいうことを世界的な視野や全国的な視野で考える必要はあっても、人との触れ合いを大切にする地域の考え方も、情報として発信していかなければならないと思うのです。
N氏そうですね。
今は東京や大阪のような大都市から発信される情報に、振り回されすぎているように思います。
われわれこの業界に携わる者が、情報の発信源とならなければいけませんね。
T氏情報を発信するということによって、人を教育できます。
人は教育を受けて知らなかったことを知ります。
人は知っていることは好き、知らないことは嫌いなんですね。
だから、情報伝達にもっと力を入れていく。
中央からの情報も取り入れ、中央と地方の情報を合わせた情報をつくり上げて、地域の皆さんにご提供していこうと、私は考えています。
まずはつくること、動き出すことが大事。
それが、この地域ならではのブライダル、ひいては東北の文化を確立することになると思っています。
この対談を読まれてお気づきいただけるように、ブライダルを地域の文化と位置づけて、地元の有力な人たちと同じ思い、同じ言葉を使って共有していくことが大切なのです。
この対談を単に東北地方のことと思わないで、どこの地域にも共通するものと考えていただきたいと思います。
福岡のシ−ホ1クホテル&リゾートでも、神戸の新神戸オリエンタルホテルでも、同じような考え方でブライダルの実績は確実にアップしているのです。
||福岡ドiム再建のために来福されて1年半。
わずかの聞に、制億円あった営業赤字をお億円の営業黒字にまで変えられています。
素晴らしい回復ぶりですね。
私が見てほしいのは考え方です。
社員が私と同じ考え方をしてくれるようになる、コンセンサスが得られるようになれば、失われた時間はあっという聞に取り戻せるものなんですよ。
私自身は会社再建という言葉は使いません。
軌道修正と言います。
設備を替えるのではなく、人を変えるのではなく、人の意識を変えればいいのです。
その際には、手続きを踏むことが大変重要になります。
いきなり現状を否定してしまったら、だれだって面白くないでしょう。
そこで、まず「なぜ、この現実があるのか」という現状肯定から入るのです。
次に、「今までのやり方を意図したときに、何を考え、何を狙っていたのか」と本質までさかのぼり、私もみんなと考え方は一緒だということを示して、社員とコンセンサスを持つのです。
会社再建の鍵は、問題意識と社内コンセンサスの統一3番目のステップで、「でも、やり方を変えないと、当初の目的が果たせなくなってきている。
ならば何がどう変わったのか、われわれは何をどう変えていかねばならないのか」と軌道修正の話に持っていくわけです。
そして最後に、原因を取り除く作業に入るわけです。
要は考え方一つということですね。
それにしても、社員数800人という大所帯の考え方を統一するところから始めて、数字がついてきているのは、やはり驚異です。
1年目はボチボチやろうなんていう気持ちで臨んだら,絶対にできません。
軌道修正は一気にやってこそ効果を発揮するものなんです。
また、赤字というピンチも、社員のコンセンサスの原動力にすることだってできるのです。
そのために大事なことは、経営デ−タの開示。
社員全員に正しい数値や、一つ一つの事実ではっきりと会社が赤字であることを知らせ、「赤字であったことは決して恥ではない。
でも、赤字を直そうとしないことは恥である」という考えのもとに、「変えなくてはいけない」ことを意識してもらいました。
そして、情報開示によって、何より信頼関係が生まれてくるのです。
ー多くの経営者が、社員の自立性をはぐくむ糸口を模索していると思うのですが、秘策があれば教えてください。
まず、経営者も社員も、「目標達成能力」ではなく、「目標設定能力」が求められているということです。
日本人は、高度経済成長を実現したように、目標達成能力には優れたものがあります。
しかしバブル崩壊後は、かつての大量生産・大量消費は目標ではなくなりました。
それに代わって、どの方向に経営目標を定めるのかが大命題になってきています。
さらに、目標が実現可能な範囲にあることも欠かせない要件です。
例えば、陸上の世界では100メートルを9・7秒で走るのが世界記録です。
だから、「9 ・5秒で走れば間違いなく世界一になれるから頑張れ」と言っても、実現は不可能に近いのです。
要は自分を見て、手の届くところに目標を置くことが大切なんです。
「自分にもできる」という感触ですね。
ーやはり−T化は、戦力としても欠かせない要素ですか。
私は、デジタルを有効活用していくことは、すなわちアナログ革命だと思っているんですよ。
それでIとTの間にコンセンサスのCを入れて、「ICT革命」と勝手にネーミングしました。
コンセンサスというのは、人間の触れ合いというアナログの最たるものでしう。
しかし、私は幻世紀が心の時代だとは思っていません。
人間が心の時代に生きていたのは大昔の話です。
それでは合理性、効率性に欠けるということを学習して、形から入るようになったのです。
昔は剣術、柔術といっていたのが剣道、柔道になったのもそうです。
「道」とは形のことで、たくさんの人がいっぺんに覚えられるから生産性が高いんです。
サービス業であればマニュアル化ですよね。
では、別世紀はどんな時代かというと、形プラス心の時代です。
形か心かではなく、二つを融合させて、どう人間の本質や求められている豊かさに迫るかだと思、つんです。
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